Sheffield
ニューウェィヴの時代からエレクトロニックミュージックが盛んだったイギリスの北部の工業都市シェフィールドでは、首都ロンドンよりも早くデトロイトテクノを評価し、影響を受けてきた。89年には早くもテクノ専門レーベル、ワープレコードが設立される。そしてそれまでのテクノミュージックの流れを変え、家で聴いても楽しいテクノをコンセプトに”アーティフィシャル インテリジェンス シリーズ”を92年からスタートする。この”AIシリーズ”から、Black Dog,B12,Autechre,Polygon Window(Richard James)等の現在のテクノシーンをリードしている数多くのアーティストを輩出している。
Cornwall/Somerset
ブリテイン島の最南西部に位置し、レコード店すらなく、羊と牛の放牧場だらけの田舎コーンウォール。こんなド田舎でリチャード・ジェームスは育ち、彼特有の音を発信し続けている。また、コーンウォールと隣接するサマーセット州からはトム・ミドルトンとマーク・プリチャードも出ている。これらのアーティストの作品は美しく独創的で、独特のサウンドをかもしだしている。また最近台頭してきたリフレックス組のRichard James,Squarepusher (Tom Jenkinson),Mu-ziq (Mike Paradinas),Cylob には要注目!
彼の家の近くにはレコード店がなく、16歳のとき初めてロンドンに行くまで他人のレコードを聴いたことがないらしい。
13歳のときにローランド100Mを手にいれ、これを契機に音フェチになり市販のシンセではもの足りず、電子工学を学び自分でシンセを改造する。
(しかし、トム・ミドルトンの発言「彼はそんなことは本当はやってないんだ。自分で楽器を作ってると思われしまっているけど、本当は中を開けて、針でちょこっといじってるだけ。だれでもできるよ」サンレコ'94JULより)
(普通の奴はシンセなんか開けようと思わないと思うのやけど)
91年に自信のレーベル、リフレックスをはじめ、92年にR&Sから名作"Digeridoo"をリリースし、ヨーロッパ中に話題を巻き起こす。そこらへんから、「狂人」「倒錯者」「狂気の破滅型音楽家」「自閉症的音楽」とかいうレッテルを張られる。(毎日日記のように曲を書き平均睡眠時間2時間と言ってるから結構当たってると思うけど)
そして、現在日本では計7枚のアルバムをリリースしている。
"Come to daddy EP"はアルバムではありませんが殆どアルバムみたいなもんなんで買っても損はしません。児童虐待禁止キャンペーンのために書き下ろされたCDらしいんですが、とてもそうとは思えないほどクレージーなジャケットです。おまけにこの激しすぎるドラムンベースは狂気とも言っていいでしょう。ビデオクリップはMTVで放映禁止。
みんなが待ち望んでいるAphexTwinの新作アルバム。とうとう世紀末になってもリリースされる予定は全然ありません。最後にリリースされた"Windowlicker"もクレージーなジャケットで、内容的にもドラムンベースに別れを告げた(なんか人の声みたいなのをサンプリングしている)作品になっています。3曲しかないのが残念。
[Caustic window/Compilation]★★★★★
Aphex TwinことRichard James。彼の別名義Caustic Windowのレアなトラックを集めたアルバムです。もともとREPHLEXからは3枚のEPしかリリースされておらず、それをコンピレーションにしたのがこのアルバムです。Aphexらしい曲もあり、アシッドあり、狂ったものがありのアルバムです。
サマーセット州在住のテクノアーティストでマーク・プリチャードとトム・ミドルトンからなる。
以前トム・ミドルトンはリチャード・ジェイムスと二人で一緒にユニットを組み共同で音を作ってたが、そこからAphex Twin(同じ生年月日だったから双子?)が始まったというのはどうやらデマらしい。トムいわく「僕と離れてから彼はエイフェックスツインをスタートさせたんであって、僕自身エイフェックスのメンバーだったわけではない!」(CDの解説書より)
さておき、彼等二人はリロード、グローバルコミュニケーション、リンク等のプロジェクト名を使いわけ、デトロイト、アンビエント、エクスペリメンタル、さまざまな音楽性を追及している。
日本では彼等が始めたレーベルEVOLUTIONのコンピレーションアルバムがソニーから出ている。(The Theory of Evolution)
またSublime Recordsから2枚組みで "Global Communication,7614" もリリースされてる。Aphex Twin の "On" ではリミックスも手がけている。
-CD感想-
[Underworld/Beaucoup fish]★★★★☆
どの音楽雑誌を読んでも好評だった、このアルバム...私から言わせれば非常に平凡なダンスレコードです。これを大絶賛する連中がよくわかりません。流れ的には彼らの前作"2nd toughest infants"と変わらないし、斬新でもないし、新しい何かがあるわけでもない。でも悪くはないとは思います。特に彼らの持ち味でもあるノリのいい曲、"Cups","Push Upstairs","Shudder/King of Snake","Kittens","Moaner"には頭が下がるばかりです。でもやっぱり期待が大きかった分、失望も大きい...でも好き(どっちやねん!)
[Darren Emerson/Uruguay]★★★☆☆
元アンダーワールド、ダレン・エマーソンが脱退後すぐにリリースした2枚組のDJアルバム。The Orb,Speedy J等の他に主にディープハウス系を主体としたアルバムになってます。暇つぶしに聞くのにいいアルバム。
[Underworld/EVERYTHING, EVERYTHING]★★★★★
ついにでました!アンダーワールドのライブを収録したCD。(まえまえから言ってるのだが、)アンダーワールドはやっぱりライブです。こいつらのライブを見なきゃ人生半分損してます。ということで、アンダーワールドのライブを見に行ったことの無い人は、これを買って音だけでも聞きましょう(ライブに行った人は買ってると思うし)。アルバムとはひと味違った感じを受けるはず!おまけに9月13日にこのライブビデオがDVDで出ます。彼等がアーティストとしても参加してるデザイン集団TomatoのプロデュースなのでかなりインタラクティブなDVDになっているらしいので、こいつも買いだぁ!!
彼の初期の実験は砂の上を歩くアリを録音することだった。不幸なことに、それはネコの鳴き声によって中断されてしまった。もちろん、トム・ジェンキンソンがその最初の人物とは言わないまでも、伝統的な音よりも日々の生活の音のほうがメロディアスであることを発見したのである。Richard.D.James
もしベースに出会っていなかったら、ぼくは今ここにいないと思うよ。Thomas Jenkinson
スクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンが音楽活動を始めたのは12歳の頃。父親の影響からジャズレコードを聴いて育った彼はバンドに参加するようになり、ベースを練習するようになった。当時の彼はジャズやフュージョンのアーティストに興味があって、テクノ・ミュージックをはなっからバカにしていた。そんな彼を変えたのはLFOのシングルであった。95年にスクエアプッシャー名義で初のシングルをリリースしたころからにわかに脚光を浴び出し、ワープ、リフレックス、R&S等といったレーベルが彼を巡って争奪戦を行うが、トムは尊敬するリチャード・ジェームスが主宰するリフレックスとまず契約を交し、アルバム "Feed me weird things" をリリースする。97年にはワープから立て続けに "Hard normal daddy" "Big loada" "Burningn'n tree" 3枚をリリースするというなめたようなことをする。しかしドラムンベースと生ベースを融合した彼独自のスタイルは今後も注目の価値があり、ますますカテゴライズ不能なサウンド聴かせてくれることだろう。
[Squarepusher/Selection sixteen]★☆☆☆☆
なにもいうことありません、いいとこさがそうとしてもありません。こいつはクソ!もう2度とこいつのCDは買わない。ドラムンベースかドリルンベースか知らんが、もうハッキリ言ってこいつのやっていることはクソ。こうなりゃスクエアプッシャー不買運動だぁー。
この他に、ピート・ナムルックとのコラボレーションの "Dream Fish" がリリースされてます。
-Mix Master Morris のホームページリンク-
-CD感想-
[Autechre/]★★★★★
このAutechreの新作には本当にびっくりしました。一言で言うとスゴイです。音作りもさることながら、その曲の複雑さといい本当にスゴイです。個人的には3曲目のRaeがお気にです。CD自体もラベルがついてなく、どっちが表か裏かわからんCDです(CDプレイヤーに入れてはじめてどっちが表か解る)。
[Autechre/ep7]★★★★☆
常に実験的であり続けるオウテカの新作"ep7"。前作と同じような流れを組んだ作品ではあるが、音作り、曲の構成には頭が下がるばかり。好き嫌いがあるにせよ、その斬新さと新しい音はさすがです。でも前作とあんまし変わってないので4つ星止まり。
[Autechre/Confield]★★★★☆
『無秩序の中の秩序』を体現するAutechreの最新作です。前前作の『』、前作『ep7』からの流れを去就しつつ今作はよりビート(リズム)に力を入れているが、そのリズムのランダムネスは相変わらず。でもこの一見グチャグチャに見える音の羅列が曲になってしまうからAutechreっておそろしい。個人的には前三作の中で『』の次に好きです(『ep7』はなんかねー)。あと邦盤にはライブ音源がボーナストラックで入ってます。これがAutechreらしからぬ4/4ビートでかっちょいい。
-CD感想-
[Plaid/Rest proof clockwork]★★★★☆
1枚目のリリースから1年半。前作の雰囲気を(ブラックドッグの雰囲気も)残しつつより生音に近く、よりヒップホップの要素を取り入れ、彼ららしさを出しきった今回のアルバム。なかなかいいですオススメ!
[Plaid/Trainer]★★★★☆
BlackDogから脱退した2人組のユニットPlaid。彼等の初期音源及び未発表曲をコンピレーションにした2枚組アルバムだ。BlackDogのようなデトロイト的なもの、ブレークビーツものがあります。BlackDog,Plaidが好きな人は当然買いでしょう!
[Plaid/Double figure]★★★★☆
Plaidの新作です。前作のtrainerは初期音源及び未発表曲をコンピレーションにした2枚組アルバムでしたが、"Double figure"は彼等らしい美しい新曲でいっぱいです。でも曲がたくさんあるので最後の方ダレてくるのが難点。でも曲の洗練度は相変わらず一流です。
-CD感想-
[Red snapper/Prince Blimey]★★★★★
ジャズ、ヒップホップ、テクノをごちゃ混ぜにしたトリップホップ。そのリズムパターンといい、ベースの進行も最高です。2ndアルバム "Making bones" もよかったけど、この彼等の1stアルバムは文句のつけるところがありません。完璧です。
[Red snapper/Making bones]★★★★☆
トリップ・ホップです。気に入りました。Wap100にも収録されている "4 dead monks" をはじめ、完成度の高い曲ばっかりです。本当にいいです。
[Red Snapper/Our aim is to satisfy red snapper]★★★★☆
ジャズ、ヒップホップ、テクノをごちゃ混ぜにしたトリップホップの代表選手Red Snapper。彼等の3枚目にあたるアルバムがついにでました。前作のMaking Bonesより、かなりビートが利いており、リズムが好きな人にはお薦めです。最初から最後まで聞かしてくれます最高。
-CD感想-
[WAP100/We are reasonable people]★★★★☆
ワープレコードの記念すべきCDシングル100枚目です。
現在ワープを代表するアーティストがそれぞれ曲を提供し、それをコンピレーションにしたものです。主なアーティストとしてAFXとSquarepusherの共作、Plaid(元BlackDog)、Autechre、RedSnapper、LFOのMark Bell等です。特に話題のAFXとSquarepusherの共作は必聴。
[Warp Peel Sessions Vol.1]★★★★☆
イギリスBBCの人気音楽番組John Peel Show。そのスタジオライブ音源をコンピレーションしたものです。
出演したWarp RecordsのAutechre,Boards of Canada,解散前のThe Black Dogの貴重な曲が聴けます。
これを聴くとWarpがWarpであり続ける理由が解るような気がします。すばらしい。
-CD感想-
[Leftfield/Rhythm and stealth]★★★★★
アンダーワールド、ケミカルに続いて、最後の重鎮レフトフィールドが名作『レフティズム』から4年振りに放つテクノ、ブレイクビーツ、ヒップホップ、トリップホップ、アブストラクト等のなんでもござれ的なアルバム。音作りもさることながら、そのジャンルの壁を越えた世界は圧巻。懐かしのAfrica Banbaataaとの共作"Afrika Shox"は文句ナシの出来。完璧。1作目アルバムの"Leftism"にはさすがには及ばないけど今作品もなかなか。おすすめ。
[Leftfield/The remixes]★★★☆☆
これも期待ほどしたよくなかった。この前出たRhythm&Stealthのリミックスアルバム。まぁまぁいいリミックスもあるが、あんまり良くないのもある(最後はダレダレ)。Leftismに入ってた曲も収録してあるのでLeftismを持っている人はお得ではない。イマイチ。
[Jake Slazenger/Das ist ein groovybeat, ja]★☆☆☆☆
μ-Ziqことマイク・パラディナスの別名儀でリリースしたアルバム。ジャンルとしてはアシッド・ラテン・ジャズ・ファンク・エキゾチカらしいが(まぁそのようには聞こえるかもしれんが)、感想はマイク・パラディナスにしては全然良くないアルバム。ふざけてこのアルバムを作ったとは思えません。最悪。
[μ-ziq/Royal astronomy]★★★★★
μ-ziqの最高傑作"Lunatic Harness"がリリースされてから早2年。今度の新作はテクノってなんでもありなんだなと思わせる作品です。ドランムンベースが主体だった前作に比べ今度はストリングスを使いまくってクラシック(シンフォニー)みたいなもの、ボーカルものが主体になってます。でもスクエアプッシャーみたいに(?)ドラムンベースとは完全に決別してはおらず、6曲目"The motorbike track"はもうサイコーです(めちゃくちゃカッコええ)。いままでμ-ziqを聴いたことのない人も前作"Lunatic Harness"とあわせて買うべし。これを聴かない人は人生の楽しみを1つ損している思って下さい。(言い過ぎ)